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2011/06/08 (Wed)
6月7日、0時15分
最愛の祖父が亡くなりました。

もう、長くない、と言われ約2週間。仕事が休みになるたびに病院へ行き、顔を見てきました。

初めに行ったのは31日火曜日。

悪いと聞きながら、前日の情報では夜間せん妄を起こし、ベッドから落ちて、今は床にマットレスを敷いて寝ていると聞き、怒り心頭状態で病室に行っていました。
見れば、ベットで寝ている祖父。ぼんやりとして、私のほうを見ることも無かった状態で、それはそれでショックでした。
しかし、24時間看護を引き受けていた伯母を休ませる為に交代してから、意識がしっかりし、「ここはどこだ」と言わんばかりに景色を確認する祖父に安心して帰りました。

次の日、なぜか気になった母は、仕事が終わってから病院へ行き、前日の時よりも表情の違っていたらしく、表情が違う、と涙していました。

それを聞き、恐怖に駆られた私は、次の休みは行かないつもりで居たのにも関わらず、金曜に病院に行き、祖父の状態を自分の眼で確かめに行きました。

相変わらずの小康状態。
苦しそうな姿は変わらなかったのですが、やはり悪くなっている感じでした。
しかし、また私が一人で祖父を見ていると、虚ろだった瞳に理性が宿り、ベットサイドでうとうとしていた私の顔を手でぺしぺしと叩いてきたり、頭を撫でくりまわしたり、とすごく元気で嬉しかったです。
私をきちんと一番下の孫だと認識していたかは、解りませんが、頭を撫でて貰った記憶は一度も無かったので、嬉しい思い出となりました。

そして、月曜日。
休みだったので、病院に行きました。もうここまでしていけば恒例です。
いつも通りに一人で残り、普通に帰り、母への伝言として、伯母からは「来ても来なくても良いよ。心残りのないように」という言葉を承り、伝えました。

しかし私が帰ってから1時間ほどで、伯母からの緊急電話があり、直ぐに行き、その時には何事も無く帰ることにしました。

しかし11時40分ごろに電話が有り、祖父が危篤、とのこと。
すぐさま駆けつけたのですが、車の中で、死亡を伝えられ、病院に着いたときには祖父は身体を綺麗にされている所でした。

誰もが言っていた言葉。

「おばあちゃんが呼んでいたのね」

祖母の命日は6月15日

3年待ったのだから、もう私に返して、と言っているようでした。
とても仲睦まじく、昔の祖父母の話は、私にとって理想の夫婦でした。
寡黙で怒った姿を一度も見たことの無い祖父は、とても優しい人でした。

祖母が亡くなった3年前、祖母を亡くし、誰もが涙を流し、その死を嘆いた時も、黙って、一人でその寂しさと悲しみを耐えていました。
その姿を見るだけで、私は耐えられなくなり、直ぐにでも祖母が祖父を連れて行ってしまうようで、私たちに留めるように話しかけたのが忘れられません。

あの時の祖父の姿が葬儀の最中頭を過ぎり、「やっぱり、おばあちゃんが呼んだんだね」と涙が止まりませんでした。

祖母の時に思ったことは、こんなに全ての孫に恐怖されても、孫全てから愛された祖母は居ない、ということです。
孫の中で一番下の私でさえも、叱られた記憶は山のように有り、昔は恐怖の対象。母の実家は出来れば行きたくない場所の一つでした。
他の人達も孫、子供関係なく声を揃え、「怖い人だった」と笑って語るのです。

祖父の場合も変わりません。
誰の記憶の中でも、寡黙で優しく、背筋のぴん、と伸びたカッコいいおじいちゃん。
そして、行動も、言葉も、存在自体が、可愛い。
皆が、「かわいい人だった」としみじみと言い、誰もが「怒る姿を見たことが無かった」と語るのです。

身体が冷たくなった祖父に触れても、思ってしまうのです。

「ちょっと寝すぎた」と、はにかみながら笑って起きてきて、と。

大切な、最愛のおじいちゃん、おばあちゃんには、会えましたか―――?

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